空き家を維持する

相続したけれど住む予定のない空き家を、どうしてよいかわからず放置してしまっている方はいませんか?

空き家は所有しているだけで維持費がかかります。

今回は、空き家の維持費をシミュレーションしてみます。

空き家の維持には何にどれくらいの費用がかかるのかを確認し、今後の対応を考えてみましょう。

空き家にかかる維持費の詳細

●固定資産税、都市計画税

不動産を所有していると年に1回固定資産税が、エリアによっては加えて都市計画税もかかります。

地方税ですので、税率は各地方自治体により異なるケースもありますが、一般的には固定資産税評価額×1.4%で計算し、この税額を年間4回に分けて支払う税金です。

都市計画税は、市街化区域内に土地や建物といった不動産を所有している場合に納税する市町村税です。

都市計画税の納税対象となる人には、固定資産税の納税通知書に都市計画税があわせて記載されています。

都市計画税も市町村税ですので、各自治体によって税率が異なるケースがありますが、一般的には固定資産税評価額×0.3%で計算され、課税される税金です。

●火災保険料

誰も住んでいない空き家でも、万が一の火災や建物の損害リスクなどに備え、保険への加入が必要です。

火災や地震で空き家が倒壊した場合も、その撤去に費用がかかるため、万が一の際の費用に備えて火災保険や地震保険に加入することをオススメします。

●光熱費

空き家となっている場合でも、水道料や電気代などの光熱費は基本料金を支払わなければいけません

電気料に関しては毎月、水道料に関しては自治体によって異なりますが毎月若しくは2ヶ月に1回の支払いをする必要があります。

水道や電気を止めてしまえばこれらの光熱費がかかることはありません

しかし、周辺の地域に対して衛生や安全、治安、防犯などの悪影響を与えないよう、所有し続ける場合には定期的な訪問を行い維持管理していかなければいけませんので、継続して契約し続ける必要があります。

●修繕費用

建物は人が済まなくなると老朽化が進むと言われています。

たとえば雨漏りや、壁の破損などが挙げられます。

また、庭のある空き家は除草作業が必要となります。防草シートを敷く、または代行業者へ依頼する場合もあります。

維持費のように定期的にかかる費用ではなく、もしかすると修繕費がかからない場合も考えられます。

しかし修繕の必要性が出てくると、場合によっては非常に高額な修繕費となる場合もあり注意が必要な費用といえるでしょう。

空き家を維持する上での注意点

空き家を維持するには、先述の通り、定期的に足を運んで建物や土地の手入れ、メンテナンス、修繕など管理をする必要があります。

放置していると建物は荒れ果てて、壁や屋根が崩れて周りの家や人を傷つけてしまう恐れがあります。

「放置されている空き家」と見られると、不審者が侵入したり、放火などの心配も。

とくに、伸び切った雑草が枯れ、冬場の乾燥した空気でたばこのポイ捨てなどで大きな火災に発展してしまう危険性もあります。

このように「周りに悪影響を与える空き家」であると行政に判断されると、「特定空き家」に指定されてしまいます。

特定空家に指定されると、固定資産税における住宅用地の特例が外され、土地の固定資産税が最大6倍に!

空き家状態で管理をきちんと行わなければさまざまなリスクに直面し、万が一のことが起こってしまうと金銭的に多額の費用を払わなければいけないかもしれません。

空き家となった実家を維持管理することが、結局のところコストを抑えることにも繋がっているといえるでしょう

(1)定期的に訪問し、管理する

(2)自治体の支援制度を活用する

例)空き家の解体に対し補助金が出るケースや空き家の改修工事に対し一定の要件を満たすと補助金がでるケースなどがあります。

(3)ご近所と友好な関係を

空き家の活用法

(1)賃貸に出す

所有している実家(空き家)を賃貸物件として貸し出すと、定期的な家賃収入が見込まれます。ただし、借りている住人が快適に住めるよう、設備の整備・修繕が必要です。

(2)売却する

売却は、管理する手間も維持費もかからず、一番シンプルな方法です。

(3)更地にする

(4)自分たちで住む

このように、住む予定のない空き家をどうしようかと考えた場合、いくつかの選択肢があります。維持費がどれくらいかかるかをしっかり把握して、維持管理が難しい場合は処分方法をよく検討し、最適な選択をしましょう。